誰よりも優しく~日雇い派遣禁止法の真意2~

俺はその昔、日雇いバイトをしていた・・・

 

2006年春夏、2010年秋冬

俺は日雇いに本当にお世話になった事がある

2006年の事は「通り過ぎてしまった夏~後編」にも書いたけれど

ここでは2010年の時の事を、少し書こうと思う

 

<誰よりも優しく~日雇い派遣禁止法の真意2~>

 

俺は当時ニートだった

(今も同じようなものだけれど)

精神的な事や、強迫性障害があって自由に働く事が出来なかった

こういう人にとって日雇いは、社会復帰するきっかけにもなったりする

 

成田ゆめ牧場では山羊の草を売ったり、子供達と戯れたり・・・

(引きつりながら笑顔で)

千葉の方にある百貨店用の倉庫では、変なオジサンにすっごく怒鳴られたり・・・

それでも家にいるより、生きていると実感出来て嬉しかった

 

一番良く行き思い出深いのは、近くにある自転車倉庫だった

そこは何と家から100mという場所にあった

今は使っていない元ショッピングセンターの中を、自転車倉庫として利用していて

他店へと出荷する為、ひたすら自転車を左から右へ

右から左とへ受け流していくのが仕事だった

 

初日、俺は裏口の場所が分からなくて遅刻してしまった

慌てて

「〇〇派遣からお越しの犬山でしゅ!」など変な事を言ってしまったけれど

現場責任者は聞かなかった事にしてくれたし

遅刻する奴はいらないという人から庇ってくれた

俺が自転車を倒して謝れず黙っていても、丁寧に注意してくれた

皆、元ヤンキーっぽかったけれど

そういう人程、誰よりも人に優しいのだと知った

 

あれから何年か経って、インターネットの工事を頼んだとき

そのときの人達に似ている二人組が家に来た

しかし、最初は一階に線を引いて貰ったものの

後日二階に引き直して貰う為、再度工事をする事になった

 

二回目は雨が降っていた

二人は優柔不断な俺に、何故線を引き直すのか尋ねる事はしなかった

お互いにあのときの人だと感じていながらも

最後まで、詮索する事は決して無かった

 

人間にとって大事な事は、雇用形態でもなく業種でもない

人に優しく、人の気持ちを察して何も言わない

それが出来るかだろう

 

労働者派遣法改正から10年

半強制的に働かない若者達を働かせようとした法律

しかしあのとき必要だったものは

本当は「法律」では無かったのかもしれない・・・

 

END