Lv16 「THE BRAZIL」あとがきに代えて

今回はTHE BRAZIL―サッカーに導かれた青年―についての

「あとがき」を書きたいと思います。

 

今回の作品は1600文字という「超短編」で書いたのですが

35年前のブラジルパラナ州の話という事で、書く為の情報が限られていました。

年月的にも遠く、さらにポルトガル語圏という事が影響しました。

こういう場合、もっと情報を得て文章を書くにはどうしたら良いのだろうかと

考えさせられましたが、今のところどうしたら良いのかは分かりません(笑)

 

読み返す度に、これからも書き直す事がありそうです。

正に当時、ブラジルに挑み試行錯誤の日々を送った

今泉幸広さんの気持ちに、今の自分が重なっているのだと思います。

 

実は、何故今回の話を書こうと思ったかというと

ユーチューブに上がっていたTBS番組

「サッカー氷河期1987ブラジルサッカー学校(マツバラ)」

という動画を見た事がきっかけでした。

 

この動画には他にも、二人の日本人青年が来ていました。

一人はベルマーレ平塚でもDFとしてプレーし

現在、レノファ山口のヘッドコーチをしている山本富士雄さんです。

 

もう一人は、北海道出身の吉田和朗さんという方です。

ネット検索では見つける事が出来ませんでしたが

他の二人揃って指導者をしているので、青少年の指導者になりたいと語っていた彼も

北海道で夢を叶えたのではないでしょうか。

 

初めはこの三人を主人公にして、話を考えてみようと思いました。

しかし、あまりにも今泉さんのクセの強さが印象に残り

作中の「僕は本当にプロになれるんですね!?」

という彼のセリフをメインにした話を書く事にしました。

そして、それは正解だったと確信しました。

 

書いていく内に、いつの間にか彼のファンになっている自分がいたからです。

この感じがプロなんじゃないか。

文章の中の世界に引き込まれていくような感覚。

この作品は、もしかしたら自分の代表作の一つになるのではないか

なんて……思ってしまったのです。

 

何かをやってみようという想いが、あの日の彼らと繋がり

今回、SEマツバラの話を書く事が許されたのだと思います。

どんな文章を書く事が出来るかは、自分次第で決まるのです。

きっと、書こうとしただけでは出来ないのでしょう。

 

END